2018年7〜8月 白馬岳村営宿舎でアルバイト
  2019/3/8 up

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<山小屋アルバイト申し込み>

若い頃(22歳ころ)標高2000m級の山小屋で1シーズン(半年間)アルバイトした経験があるが

あれから、山歩きが一生の趣味となり、日本百名山を完登した頃から「もう一度」と考えていた。

山小屋で働くことは定年退職してから本気で考えていた(それより前だったかもしれない)。

私は基本的にテントを使って山歩きをしていたが幕営指定地や天候の関係で山小屋も随分利用した。

利用しない場合であっても稜線や登山口に山小屋が存在していることは安心であった。

そんな山小屋への恩返し「お礼奉公」をしたかったのだが、体力に不安がないわけでもなかった。

そのために毎日トレーニングを行い、健康にも気を配った。家族の了解も得なければならない。

2018年4月 長野県白馬村白馬振興社のアルバイト募集をHPで確認し申し込む。

北アルプスを始め八ヶ岳や南アルプスなどの多くの山小屋が夏期アルバイトを公募している。

しかしながら、ほぼ全ての山小屋で年齢制限を40歳以下としている。

仕事の内容や標高、体調を崩した時の抵抗力などを考えれば当然の条件と思われる。

しかし白馬岳村営宿舎は年齢制限が例外的であり60歳以下となっていた。

登山口の猿倉荘も同じ系列の山小屋であり郵便配達員が毎日登山路を往復しているなどの

背景があるからだと思われる。さらに小屋の中に昭和医大の診療所も併設されているし。

6月で62歳になる私は若干条件から外れるのであるが、熱い思いの手紙を履歴書に添えて申し込んだ。

果たして5月末に採用通知が来て7月から8月末まで標高2730mの山小屋で働けることになった。

収容人員最大400人(布団に一人でも300人位)の大きな山小屋なのでアルバイトも多い。

勿論若い人達が中心だが、50代が一人、60代が私以外にもう一人いたが私が最年長であった。

もしかしたらだけど2018年度北アルプスの山小屋でアルバイトしていた最年長者は私かもしれない。

*

<山小屋生活>

山小屋の朝食は概ね5時なので、それに合わせて従業員も宿泊者も起床する。

私は普段から早寝早起きなので自然に4時には目が覚めた。

宿泊者の朝食後に従業員も慌ただしく朝食を済ませ、すぐに掃除にかかる。

当然ながら掃除機などなくすべてが手作業だ。トイレも水洗ではない。

アルバイト全員での掃除が終わると、各自の配置場所によって作業が異なるが、私は売店の仕事につく。

うどんや唐揚げのような簡単な料理も出すので時々厨房でも仕事した。

山小屋の仕事は掃除や料理といった家事と大部分が同じだから私の得意なことが多い。

当然山小屋ならではの仕事もある。ヘリの下ろした荷物を運んだり、台風に備えての準備や後始末など。

天気のいい日は仕事場から美しい景色が眺められるし、休憩時間に散策を楽しむことも出来る。

こんな素晴らしい仕事は他にはないのだが、好きなビールは売店で買うと500ccが700円もするし

下界では毎日数時間練習していたバイオリンやチェロも弾くことができないし

本も宿泊者用の限られたものしかなく活字に飢える生活が強いられる。

でもそれらは朝の日の出を見たりするといっぺんにどうでも良くなってしまうのだった。

*

<写真>

仕事の合間に撮り溜めた写真の整理(完全には無理)はなかなか追いつかずアップが遅れてしまった。

一つ一つの写真に説明を添えるつもりでいたが、作業があまりに大変なので羅列掲載することにした。

まずは私が働いていた山小屋の写真。従業員部屋の写真や併設のキャンプ場の写真も














山小屋付近からの景色(朝と夕方の写真が多い。富士も見えている。)

稜線に出ると富山平野や能登半島、剣や槍もよく見えた。










































自由時間に白馬岳の山頂(往復1時間弱)へよく出かけた。
天気が良い時に杓子岳や白馬鑓ヶ岳(往復2時間)、旭岳や小蓮華岳(往復2時間強)へも遠征した。

白馬岳からは日本海が、小蓮華岳からは白馬大池も見えた。

白馬岳頂上から南を望む

白馬岳頂上から北を望む

白馬頂上から黒部川下流部(望遠レンズ)

杓子岳頂上から白馬岳

白馬鑓ヶ岳頂上から杓子岳と白馬岳

小蓮華岳頂上から白馬大池


高山植物の写真は沢山撮ったけど花の名前が殆どわからないので一部だけ紹介。


























恥ずかしながら自撮りの写真も。日焼けして髭も伸びている。

白馬岳頂上にて

白馬鑓ヶ岳頂上にて

小蓮華岳頂上にて

8月31日に無事仕事を終えて下山。

白馬村の温泉施設で疲れを癒し土産を買い込んで新宿行きの直行バスに乗る。

新宿の街に降り立つと浦島太郎になったような感覚を味わった。
高層ビル群、地下街、そして地下鉄に乗った時も違和感を覚えて落ち着かなかった。

(2019/3/15 一部追加。)


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