100名山を目指して、年に数回の登山の日記(X)「幌尻岳」  戻る


100名山の中で私にとって最も遠い存在だったのが、日高山脈にある幌尻岳でした。

わたしにとって94番目の山は、その幌尻岳です。

2014年9月に登頂しましたが、実は前年も登山口まで行きましたが、

前日の雨で川の水量が増しているため登山を断念しなければなりませんでした。

翌年、早速リベンジです。北海道までの交通機関やレンタカーの予約から始めます。

幌尻岳は日高山脈の人里から遠く離れた奥深い場所にあるため

登山口から地元の運営する登山専用バスでアプローチしなければなりません。

登山口は廃校になった小学校です。

そこまで行くのに路線バスはありません。私は苫小牧からレンタカーを利用しました。

林道はかなり奥の水源用ダムまで続いていますが、バスは途中までしか行きません。

バスは1日3往復。下山時のバスを運転手さんに伝え、歩き始めます。

私の時は行きも帰りも乗客は私一人でした。


大自然の真っ只中に私一人です。ひらすら歩きます。

帰るときには道路でばったりヒグマさんに出会いました。

70m位離れていたので私が大声出したら、ヒグマさんの方で道を開けてくれました。

ヒグマさんの写真を撮る精神的余裕はありませんでした。正直怖かったです。

車が走れそうな林道が終わると川に沿って歩きます。20回位川を渡ります。

橋はありませんので川の中を歩きます。



川の水の冷たさに足の感覚が無くなり始めた頃、山小屋に着きました。

小屋には番人と先客が一人いました。

夜は薪ストーブが焚かれましたが深夜は寒くて何度も目が覚めました。

翌朝、頂上に向けて本格的な登山開始です。登山靴とサブザックで整えます。

途中1箇所水場があり、「命の水」と看板が立っていました。

稜線に出て、遠くの山や主峰下のカールの地形が見えてきます。



青空とは行きませんでしたが、頂上では遠くまで見渡せられました。



頂上は私一人の貸切状態です。大自然満喫です。

頂上ではセルフで記念写真を撮りましたが、登頂を人に証明したいという思いはありません。


景色を眺めながらマイペースで一気に下山です。登る人の待避もありません。



バスの時間に遅れないように1時間前に帰還しましたが、

なんと、バスも30分以上早く迎えに来てくれました。

万一の場合に備えバス待ちのためのプレハブ小屋があり毛布も用意されてました。

登山客一人だけのために山奥まで迎えに来てくれるバスに感謝です。

「御嶽山が噴火して大変なことになっとるようです。」と運転手さん。

営業所に戻るバスを見送り、その日の内にレンタカーで苫小牧まで戻ります。

登山口にある元小学校の校舎は宿泊施設になっていて前回は利用しましたが、

仕事をあまり休むことができないので少しでも距離を稼ぎました。

御岳が死者の出る大惨事になっていたことは苫小牧のホテルのテレビで知りました。

登山が無事に終了するのは大自然の営みと地元の人の助けがあってこそです。

感謝しかありません。100名山の内94山達成(北海道は9山完登)しました。



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