100名山を目指して、年に数回の登山の日記  戻る
深田久弥は好きな登山家です。100名山の選抜には多少の異議はありますが、「日本百名山」は愛読し、その完登を目指しています。私には仕事が有り、家族も有ります。休日にも仕事は有り、一人で山へ行くより子供を何処かに連れて行ってやりたいと思います。しかし、年に数回だけ、家族に遠慮しつつ山へ出かけます。

日本百名山の私にとって第78番となった甲武信ヶ岳の登山記録

平成17年9月13日、今年初めての山歩きです。
未踏峰の甲武信ヶ岳に登りました。秋晴れの登山日和でした。
近くの秩父山地の山々はもとより南アルプスの頂も幾つかはっきり見えました。
残念ながら、富士山は雲に隠れていました。
高速道路佐久ICから一般道で川上村へ。
梓川集落の登山口駐車場に8時00分着。
信濃川源流9時55分着。
頂上10時25分着、30分休憩。
三宝山11時15分通過、十文字峠13時5分通過。
登山口駐車場13時55分着。
三国峠を超えて未舗装の中津川林道を下り、
建設中の巨大なダムに感動。でも必要なの?って思ったりもした。


ここが日本で一番長い川の源流である。さすがに立派な看板が立っていた。
だいぶスケールが違うが、以前テレビでナイル川源流の番組を見たことがある。
源流の氷河から落ちる「最初の1滴」に感動した。無論そこには看板は無い。
信濃川の源流は岩の間からドクドクと湧き出る泉だったが、それなりに感動した。
出会った人にシャッターを押してもらう。湧き水は「まいう〜!」でした。


最後の急な坂を登ると、眺めの良いきれいな山頂に着いた。
登山口の案内板には登り3時間50分とあったが、2時間15分で着いた。
鍛えていた若い頃のようにはいかないが、49歳にしてはまあまあだろう。
山頂には日本百名山の看板やら山菜百名山の看板やら賑やかで、記念写真には
もってこいだが、私はへそを曲げて道標脇でシャッターを押してもらう。
甲武信ヶ岳の頂上は三国山・十文字峠方面、金峰山方面、雲取山方面の三叉路
となっている。それはつまり甲州(山梨)、武州(埼玉)、信州(長野)の3国の境め
に位置する山であることを意味している。


奥秩父山系にあって独立峰の両神山もきれいに見えていた。
あちらも百名山の1つであるのに標高がこちらより700メートル低く
ただの裏山程度に見えてしまうが、ギザギザした独特の頂上をもつ。
この写真には入っていないが、左に御巣鷹山が見えている。
あの日、私は消息を断った大阪行きジャンボのニュースをラジオで聞いていた。
その夜は、墜落場所は特定できなかったが、そこは奥深い奥秩父山系だったのだ。
あの日は天気は悪くなかった。おそらく低空飛行をしながら奥秩父山系を翻弄する
ジャンボの飛行を不思議に思いながら眺めていた登山者はいたであろう。
墜落の瞬間は大きな音も光も放ったことであろう。
目撃した悲惨な光景は自ら語らないものである。
尼崎脱線事故の瞬間も目撃した人は本当はもっといたに違いないが、
メディアでそれを語った人はごく数人だけだった。
そんなことを思いながら御巣鷹山を眺めた。
何処かに墜落する運命だったとすれば、
最後の場所が天国に近い美しい山の頂だったことは神の導きだったのか
などと思うのは、やはりそれも不謹慎なことであろうか。

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