2020年12月
ヤフオクで購入のアンプ<SONY TA-F333ESA>の修理
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1960年代に新幹線が開通しカラーテレビが電気店の店頭を飾っていた。
1970年代に入って「中流家庭」が増え自家用車やエアコンも普及する。
大学が増え、学生が街に溢れ、サラリーマンの生活には余裕が生まれつつあった。
国鉄は特急を増発しディスカバージャパンのキャンペーンで人々を旅行に誘った。
自家用車は売れ若者は当然のように教習所に通い一家に一台の時代になった。
人々は余暇を楽しむようになった。趣味として音楽鑑賞を嗜む人も増えていった。
田舎町にもレコード店ができた。FM放送を聴きテープに録音するのも流行した。
メーカーは競ってレコードプレーヤーやFMチューナーやカセットデッキを著しく進化させた。
1980年代に入ってCDプレーヤーも加わり、オーディオ機器はこれでもかと進歩した。
やがてその時代はアメリカを発端とする不況とパソコン機器の普及で進化に終焉が訪れる。
そして音楽媒体は小さな半導体に移行し、再生機器も小型化し携帯するものに移っていった。
インターネットの普及と共に人々の生活様式は変化して行ったのだ。
人々の余暇の楽しみ方も多様化していき、音楽鑑賞のための機器は隅っこに追いやられた。
しかしジャズやクラシック音楽を嗜む中高年のオーディオマニアは健在だった。
レコードなどの旧態の音楽メディアに拘り続ける人も一部のマニアとして存在を続けていた。
多くの人がスマホを使いこなす新しい生活様式の波に乗ったが、乗り遅れた人も存在した。
使い慣れたオーディーオ機器が寿命を迎え始め、新たに購入をと思った時、
電気店にはかつての「完成」したオーディオ機器は消えていた。
今そんな輩に1970年代後半〜1990年代前半のオーディオ機器(中古品)が人気である。
ヤフーオークションには次々と出品されている。徐々に価格は上昇しているようだ。
勿論、30年以上も経過したものだから多少の整備・修理が必要なのは当然である。
整備して出品する人もいれば、動作不良の物を落札して自分で修理する人もいる。
前置きが長くなったが、今回我輩は未整備品のアンプを入手し自分で整備(修理)を試みた。
その記録である。
SONY TA-F333ESA を14500円で落札。
1991年発売、定価90000円、重量21.3kg
出品時の説明に「一応音は出ている」の説明が付いていたが、正常ではないようだった。
はたして届いてすぐ試してみるとボリュームがおかしい。回すと音量が不規則に変化した。
右のスピーカーが鳴ったり鳴らなかったり。鳴ればさすがに良い音はする。
それでボリュームと出力リレーの修理(部品交換)に挑戦することにした(初めての試み)。
ボリュームはリモコン用のモーターが付いているが、リモコン機能は捨てることにした。
ボリューム本体は同じメーカーのものを秋葉原で購入、出力リレーはネット通販で購入した。
使用する道具は半田こて、テスター、ドライバー類、ラジオペンチ程度。
ケースを開け、とりあえず内部の埃を除去。前面パネルを外してボリューム交換にかかる。
取り外したボリューム基板。そこから取り外したボリュームとリモコン用モーター。
取り外したオリジナルのモーター付きボリューム。内部に異常があるのが判明。
交換したいが一般販売されていないので代用品(同じメーカー、同じサイズ)と交換。
次は出力リレー。出力部の基板は大きなケミコンが邪魔で取り外せない。
仕方ないのでケミコンを取り外し、基盤を取り外す。
一応、接点の清浄を試みたが失敗。カバーを外すときに壊れたようだ。で交換することに。
取り外した出力リレー。100W以上の出力なのに意外と小さなリレー。
基板からリレーを撤去。
通販で購入し届いた新しいリレー。秋葉原へ行くより安上がりで便利だった。
新しいリレーを1つ取り付けたところ。リレーの足と基板の穴の位置がぴったり合う。
出力リレーの交換が終了し、基盤を元の場所に取り付ける。
清掃と修理が終了した内部。半導体の放熱板とケミコンと電源トランスが大部分を占める。
ケースカバーを元に戻した外観。30年以上が経過している割には綺麗である。
今回交換撤去した部品。
交換用に購入したボリュームは税込み869円、リレーは2個で税込み798円でした。
現在、ONKYOの古いスピーカーD202AXと共にすごく良い音を出しています。
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