2022年9月〜11月
1960年代のトランスレス真空管ラジオの修理


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昨年暮れから今年春にかけて取り組んだ真空管ラジオの整備は、
1950年代のST管スーパーヘテロダインラジオからMT管への移行期の電源トランス式でした。
1960年代に入ってプレート電圧が100V程度の真空管を利用することによって電源トランスを不要にしたラジオが台頭してきました。
重いトランスがなくなることで軽量化が進みプラスチック製の筐体と共に小型化も進みました。
トランスレスの時代はデザインの良いものが多く、そんなカッコイイのを再び整備してみたくなりました。
2021年のNHK朝の連続ドラマに戦前から戦後のラジオが時代ごとの重要な小道具として登場しました。
そのせいか真空管ラジオは人気が落ちません。壊れていると思われるラジオも2千円前後で落札されます。
私が最初に入手したトランスレスラジオはなんと届いてびっくり、5本の真空管が全てありませんでした。
仕方なく部品取りのためにもう一台落札しました。今度は5本の内の2本が割れていました。
仕方ないので、「なんとか鳴ります」の説明の付いたものをさらに落札しました。
オークション初心者の私はまあこんな感じです。
結局、5台のトランスレスラジオが私の手元にあります。


最初のトランスレスラジオは東芝製の名機「うぐいす」です。届いた時つまみもありませんでした。




ケースの清掃とコンデンサの交換を行います。




真空管は後日、真空管だけを新品で購入しました。




2台めはナショナル製のDX-365です。ケースにはタバコの火で開いたような穴もあります。








3台めもナショナル製で、GX-240です。かなり小型化が進んだ真空管ラジオの最後の頃のものです。










4台めはシャープ製のRH-270です。リモコンや同調表示管のSW付きで、筐体も豪華仕様です。当時の洋風応接間に鎮座していたようなデザインです。








ハム(ブーンという交流音)が気になるので残しておいたオリジナルのブロックコンデンサを撤去し
その跡地に電解コンデンサを設置しなおしました。ハムは解消しました。


撤去したパーツ。




5台めはVictor製のGA-22です。かなり大きな音がでますので学校の音楽教室でも使えそうです。
届いた時の整備前の状態です。酷いほどやる気が出ます。


整備前


分解


整備前


内部を塗装


コンデンサ交換


整備完了


撤去したパーツ






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