真空管アンプ
2018/1/12 up、2018/3/21 追加up
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定年退職後の楽しみにしていたことが沢山あって私鉄全線乗り潰しもその一つであるが
「ブラタモリ」風に都内をブラブラ歩き回ることもその一つであった。
なので、退職後精力的に歩き回っている。
最初はひたすら歩いてばかりいたのであるが、徐々に途中で見かけるトラッドな喫茶店に
興味を持つようになった。
学生時代はよく利用した喫茶店であるが社会人になってからはご無沙汰している。
今でもあるのかJAZZ喫茶?
と思いネットで検索してみると都内には今も幾つかあることがわかった。
ブラブラ歩きの立ち寄り場所の一つにJAZZ喫茶を加えるようになった。
それらのお店に共通しているのは立派な音響システム(※)である。
私はすっかり真空管アンプに魅せられてしまいました。
元々、私も中学時代から電気や電波に興味があり、アマチュア無線の免許を取ったり、
高校は工業高校の電気科を選んだほどだから
血の中に真空管に対する憧れがずっと眠っていたのかもしれない。
真空管アンプが欲しくなってしまった。
でも今時「ヤマダ」や「ヨドバシ」のような大型電気店に行っても真空管アンプなんて売ってないのだ。
注:ヨドバシの秋葉原店でガラスケースの中に鎮座しているのを後日発見しました。
そんな頃、秋葉原の「ラジオデパート」をぶら歩きしていたら3階のお店(*)で真空管アンプのキットを見つけた。
(*)注:2018年2月現在、そのお店は存在しません。(ラジオデパートも徐々に閉店するお店が増えています。)
で、衝動買いしてしまったのである。家まで重いダンボール箱を下げて帰った。重さの原因は4個のトランス。
電源用とチョーク用の他に真空管アンプには出力用のトランスがあるのだ。鉄や銅の塊だから石の様に重かった。
ハンダコテを使って組み立てるのは高校時代以来(**)だ。興奮しながら数日かけて組み立てた。
(**)訂正:西暦2000年頃、マイコンに興味を持ち基板制作のためにハンダコテを使用している。
組立が終わって電源を入れる時はハラハラした。無事、音が出た。
フォノイコライザーが内蔵されていないのでレコードプレーヤーに使えずCDデッキ用に。
スピーカーもFOSTEXのキットで組み立てた。小さいがとても澄んだ良い音が出る。
なんとなくいい音に聞こえる。おそらく橙色に光る真空管の雰囲気のせいだろう。
トランジスタが電気機関車なら真空管は蒸気機関車といったところだ。
完全に真空管に魅せられた。で、もう一台作ることにした。ネットで購入。中国製キット。
回路がシンプルで部品も少ない。一晩で完成した。
35年前に購入して長いこと仕舞ってあったFMチューナーに繋いで使っている。
スピーカーは秋月電器で購入した安価なユニットを使って組み立てたが音質は悪くない。
参考
※文京区白山(東洋大学の近く)のJAZZ喫茶「映画館」(=店名)にはオーナー自作の真空管アンプやSPが
新宿区高田馬場(駅の近く)のJAZZ喫茶「マイルストーン」には名門メーカー製の真空管アンプが
現役で使用されているのを客席からも見ることができます。
また、高円寺の名曲喫茶「ルネッサンス」、阿佐ヶ谷の名曲喫茶「ヴィオロン」や
渋谷の坂の上の1階席と2階席のある大きな名曲喫茶「ライオン」の音響設備も一見の価値があります。
四谷のJAZZ喫茶「いーぐる」はガラス張りのレコード室(昔多かった)があります。
スピーカーはJBLを使っているお店が多いようですが「ライオン」の巨大なスピーカーは圧巻です。
名曲喫茶の「ライオン」や「ヴィオロン」はお店の作りもコンサートホールを真似ています。
一方、JAZZ喫茶は、店の一角で生バンドのライブ演奏が行えるような作りになっていたりします。
いずれにしろ音楽を聴かせる喫茶店は主役が開店当時からの古い音響設備ですが、
既にオーナーもご高齢なので10年後もお店が存続しているか心配です。
中野の名曲喫茶「クラシック」は1度しか行ってないまま無くなりました。
国分寺の名曲喫茶「でんえん」は店の内部も外観もほぼ開店当時のままでお店自体が国分寺の歴史遺産です。
私も例外ではありませんが自宅にオーディオ設備を持つようになり、その種のお店の存在意味も変わりつつあります。
私は懐かしさで時々利用していますが、何時までも昔のままでいて欲しいという客の我儘が存続を難しくしています。
私の青春時代の岡山の「東京」や「シャイン」、京都の「しあんくれーる」は今はありません。
時代の流れで、繁華街の中にあるその種の名店の中には音楽がBGMレベルになってしまったところもあります。
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