真空管アンプ 自作3台目(St管&Gt管5球アンプ)
  2018/9/12 up

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2018年9月上旬、真空管アンプを製作した。小生62歳。

視力は衰え、ハンダコテの先に焦点が合わない。部品を挟むピンセットを持つ手が震える。

なのに細かい作業の工作をするに至ったのには行きさつがある。その話から。

この夏はアルバイトした。金に困っていた訳ではない。

退職して暇を持て余していたわけでもない。

2年前に日本百名山を40年かけて完登した。

それを記念して、山でお礼奉公することを思い立った。1年前。

この春、山小屋のアルバイトに応募し、毎日トレーニングを続けた。

果たして採用通知が来て夏山の山小屋で40日間アルバイトした。

アルバイトであるから給料が貰えた。

臨時収入を何に使うか考えた。生活費の一部に当てるのは気が進まなかった。

山歩きと並んで私の趣味の一つである音楽に使うことにした。

今年の秋はコンサートへ行きまくろう。と思い立ち、先日6回分のチケットをゲットした。

通常、オーケストラのコンサートは安い席でも1回で数千円かかる。

さすがに年金を頂いている身分でそれは気が引ける。

しかし。音大系の大学が主催する演奏会なら学生の発表会だから安い。

安いけど、その日のために長い月日練習していたわけだから完成度は高い。

東京芸大、桐朋音大、国立音大など2大学ずつの演奏会4回分の通し券を3000円でゲットした。

それから、日本音楽コンクールの本選のチケットもゲットした。無論安い。そして演奏レベルは高い。

そして、昨年度の東京音楽コンクールで金賞を受賞した駆け出しのソリストがソロを務める新日本フィル

のチケットもゲットした。ソリストがまだデビュー間もないので、オケは一流だがチケットは安かった。



さて、それで気が済むかと思ったのだが、形に残る何かに使いたくなった。

で、真空管アンプを作ることにした。真空管アンプは既に2台作ったが2台ともMt管仕様。

やはり真空管なら大きなSt管やGt管に憧れる。真空管の存在感が全く違う。

早速ネットで中国製真空管の(残念ながら日本では既に作られていない)のキットを中国から購入した。

トランスが4個も入っている重いダンボール箱が航空便の国際宅配便で届いた。

ダンボール箱は中国から送られた来た感が溢れていた。汚れていて所々凹んでいた。

しかし中身は丁寧に中国語の新聞で包まれて大事にされていた。送り主の誠意を感じた。

さて、届いたその日から、はやる気持ちを抑えながら製作にかかる。

薄い紙に印刷不明瞭の中国語の回路図と格闘しながら毎日3〜4時間。4日掛けて完成した。


内部。部品の配置や配線は最良とは思えないが、これが精一杯。


外観。大きな真空管は迫力満点。


外観(左端がSt管、他がGt管)


通電して真空管ヒーター点灯。


スピーカーもキット(FOSTEX製)を発注、組立。


スピーカーも完成し仲間入り。


音質確認、なかなかです。

仕様出力は6.5W+6.5Wだがボリューム20%で近所迷惑限界の音量。

完成直後は交流音(ハム)の雑音が少しあったが配線を改良して無くなった。

ただ、ボリュームの接続ミスで左に回すと音が大きくなるという痛恨のミス。自分用だから良しとする。



9/18追記

実は、前述のハムの雑音を解消するための改良工事中、

その原因を探るため電源を入れたまま配線をいじっていました(危険な行為です)。

その時うっかり左手親指がB電圧(300V)の配線に触れて感電してしまいました。

直後は左手がしびれていましたが、しばらくすれば治ると思っていました。

しかし、1週間経っても左手親指の痺れが取れません。もう一生治らないかもしれません。

左手から伝わった電気が心臓に影響なかっただけでも不幸中の幸いと思わなければなりません。

一歩間違えば心臓ショックで今頃あの世に行っていたかも知れないのですから。



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