57歳で始めたチェロ   戻る


53歳で始めたバイオリンであったがオーケストラの楽器の中でチェロに興味を持っていた。

バイオリンの時と同様にチェロの実物に触れる機会があり、その時に弾けたらいいなあと思った。

しかし、まだバイオリンも初心者なのに他の楽器に手を出すのはダメだろうと思っていた。

しかし、バッハの無伴奏チェロ組曲第一番「プレリュード」を聴いた時、自分で弾きたいと思った。

で、バイオリンの練習の合間に時々チェロの練習を始めた。57歳の時であった。

椅子に座って楽器を支え持つ感じが堪らない。恋人を後ろから抱きかかえている感じがする。

私はチェロに惚れてしまった。こうなると自分専用のを欲しくなるのが私の常で、いざ楽器店へ。

バイオリンに比べて大きいだけに高価である(同じクラスで2倍くらいする)。

狭い我が家に置けば色々支障もありそうだし出費も大きい。多少迷ったが、

清水の舞台から飛び降りるつもりで購入。と言っても中国製で弓やケース込みで¥35万弱。



チェロが我が家にやってきてから私はバイオリンとチェロの両方の練習をすることになった。

あれから(40年!・・ではなく、僅か)5年が経過し曲を弾いて楽しめるところまで来た。

バイオリンと同様に、家での練習は息苦しいので公園へ出かけて練習することもある。

チェロの持ち運びは大きいだけに嫌でも目立つが電車にも乗る。混んでいれば恐縮もする。

初心者なのに歳が歳だけにプロの演奏家に見られるのではないかと気恥ずかしくもある。

しかし、広い公園で木々のあいだで練習するのは最高の気分だ。

人の少ない時間に人の少ない場所で弾いていても時々近くを通りがかった人が足を停める。

聴いているわけではなく、面白がって見物しているだけだと解っていても緊張する。




誰かが聴いているかもしれないという緊張感は、練習には良い効果をもたらしてくれる。

夢はもっともっと上達して少し人の多い場所で演奏することだ。


私の練習曲(レパートリー):取り組んだ順番に列挙すると
■バッハ「無伴奏チェロ組曲第一番プレリュード」
■バッハ「無伴奏チェロ組曲第一番サラバンド」
■バッハ「無伴奏チェロ組曲第三番ブーレTU」
■映画「おくりびと」のテーマ
■サン・サーンス「白鳥」
■バッハ&グノー「アヴェ・マリア」
■シューヴェルト「アヴェ・マリア」
■カッチーニ「アヴェ・マリア」
■モリコーネ「ガブリエルのオーボエ」
■スッペ「詩人と農夫」序曲


2016年1月、ドイツ製のチェロが欲しくなり一生練習することを誓って購入。

ドイツのミッテンバルトで作られた"R.W.Leonhardt"(レオンハルト)。の中古である。

弓も同じくドイツ製の"Paesold"(ペゾルト)。はっきり言って身分不相応である。

高級なニスが使われているせいで傷が付きやすく既に幾つもつけてしまった。






2016年 春 トイレにて
Bach作曲 無伴奏チェロ組曲1番(BWV1007)Prelude
公開中




53歳で始めたバイオリン


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ちなみに、チェロは記号で表すとき”Vc”となる。(バイオリンは”Vn”)

それはチェロがイタリア語では Violoncello(複数形Violoncelli)であることから来ている。

ビバルディはイタリアのベネチアの出身だし、有名なストラスバリウスもイタリアだし、

イタリア語が語源になるのは仕方ないね。


余談だけど、日本には「日本チェロ協会」という立派な組織があるのだけど

入会金\1000、年会費\6000払うと、誰でも会員になれる。無論、私は会員ではない。